免疫療法について
免疫療法とは
免疫治療は新しいがん治療法の一つです。
患者さまご自身の本来備わっている”自然治癒力”を高めてがんの治療を行います。正常細胞にほとんどダメージを与えず、がん細胞のみを攻撃するがん治療の新たな選択肢として活用されています。
免疫治療の特徴
抗がん剤、放射線治療など他の治療と並行することでより効果が期待できます。
現在、抗がん剤や放射線治療をされている方でも、並行して治療を受けて頂くことも可能です。
免疫療法を合わせることで、より高い効果や、QOL(生活の質)の改善が期待できます。
副作用が少ない治療です。
当院で行っている免疫細胞療法はご自身の細胞を用いる治療法ですので、基本的に重篤な副作用はないのですが、免疫チェックポイント阻害剤を用いる場合は特に、自己免疫性の副作用に注意する必要があります。
※免疫治療の副作用について
本治療の副作用としては稀ながら、高い場合でも38.5度までの発熱と、それに伴う倦怠感、もしくはワクチン投与の際は局部の発赤、それに伴う軽度の痛みがみられることがありますが、通常このような症状は1-2日ほどで消失します。
基本的にどのような種類のがん患者さまでも受けて頂けます。
治療法によっては、一部血液系の感染症(HTLVⅠ等)に罹っている患者様では難しい場合がありますが、基本的にはどのような種類のがん患者様でも治療を受けていただくことは可能です。
手術後の再発予防にも効果が期待されます。
手術などの初期治療後の再発予防治療として免疫細胞療法を用いることで、活性化された免疫細胞を補い、更に体の免疫力を高め、がんの再発予防に貢献が期待されます。
水入クリニックで行う免疫療法
免疫療法には、それぞれの意味と役割があります。何か一つの免疫療法に偏るのではなく、患者さまの症状にあわせ、バランスのとれた治療を行うことが、意味のある治療だと考えます。
NK細胞には、がんの情報(目印)や司令官からの指示が無くても、正常細胞以外の細胞だけを攻撃しに行く性質があります。 NK細胞療法は、NK細胞を体外で人工的に増やし、体内に戻すことによって、Tリンパ球が攻撃しきれなかったがん細胞を、強い攻撃力をもって攻撃する治療方法です。 詳細はこちら
樹状細胞には、がんの情報(目印)を覚え込ませることにより、がん細胞を攻撃する指令を出す、司令官の役割を果たす性質があります。樹状細胞ワクチン療法とは、がんの情報(目印)を覚えさせた樹状細胞を体内に戻すことによって、体内に多くの司令官を送り込む治療方法です。 詳細はこちら
Tリンパ球には、がんの情報(目印)を覚えることによって、がん細胞を攻撃する兵隊的な性質があります。患者さまのTリンパ球は、もともと体内にある樹状細胞からがんの情報(目印)を受け攻撃しに行きますが、患者さまご自身のTリンパ球(兵隊)数のみでは兵力不足にて攻撃しきれないため、体外で人工的にTリンパ球(兵隊)を大量に増やし、体内に戻すことで兵力を補充するのが活性化Tリンパ球療法です。 詳細はこちら
免疫療法の組み合わせ方
活性化Tリンパ球療法で、もともと持っているTリンパ球(兵隊)の力を増幅させ、がん細胞を攻撃させた後、攻撃しきれなかったがん細胞をNK細胞で攻撃します。
樹状細胞ワクチン(司令官)を体内へ投与し、体内のTリンパ球(兵隊)に がんの情報(目印)を覚えさせます。その後、活性化T リンパ球療法として、がんの情報(目印)を覚えたT リンパ球(兵隊)を体外で増殖し、体内に戻します。患者さまの病態に合わせ、投与法や回数について判断します。